平野綾との再会と憂鬱でしょでしょ?
(2001年)ロリータ℃との出会い
12歳の大人でも子どもでもない、何処にもまだ所属してない、薔薇のように名前のない
けれど香しい匂いを放ちながら死んで逝く少女の夢を見よう。
(白倉 由美『ロリータの温度』)
神様が世界の終わりにたった一人残した永遠の少女
- アーティスト: ロリータ℃
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2001/08/29
- メディア: CD
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脳内で「死のう死のう」の永遠ループ。
退屈を紛らわす為に沢山の本とCDの中に『ロリータの温度』はあった。
ロリータ℃という虚構の存在には複数の人が関わっているらしいのだが
個人的には表紙を飾っている少女とアルバム版の声*1が好きだった。
だからといって、数ヶ月もしたらロリータ℃のことなど忘れているに決まっていて
事実、僕は『ロリータの温度』の本もCDも棚の奥に閉まっていた。
そしてもう二度とそれらに触れることすらないと思われた。
永遠の少女は死んだままだと思っていた
だって私、生まれたときから膣がないの。子宮も卵巣もない。
だから一生誰にも抱かれずにすむの。永遠の少女でいられるの
(白倉 由美『ロリータの温度』)
永遠の少女は永遠にそのまま
死ぬとき、彼女はいつも小学六年生で、12歳だった。
(白倉 由美『ロリータの温度』)
僕の中では彼女の存在は完全に忘却されていて、つまり死んでいた。
(2006年)最近話題のアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」とかいうやつでも見てみるかぁ
アニメ自体の感想はここでは保留として
個人的には涼宮ハルヒ役の平野綾さんに引っかかる。
だが、このアニメが終わってしばらくしたら
平野綾さんのことなど忘れてしまうだろうと、そう考えていた。
永遠の少女は成長していた
ある時ふと、平野綾さんの公式サイトを見ていたらHiranoaya - Health, Fitness, Dating, Money
プロフィールの欄に『ロリータの温度』ロリータ℃の文字を発見した。
正直ビックリした。まさかロリータ℃の中の人*2と涼宮ハルヒの中の人が同一人物だとは!
ファンの方々には「何を今更」といった事実であろうが。
永遠の少女は死んでいなかったのだ。その事実に私は驚愕した。ロリータ℃は人気声優として成長していた。
世界がひび割れて崩れていく。私は棚の奥にあった『ロリータの温度』のCDを約5年ぶりに引っ張り出した。
そして涼宮ハルヒの詰合(asin:B000FFL4L4)と『ロリータの温度』を何度も何度も聴いた。
そこにはあの頃の<僕>がいた。
では私は成長しているのだろうか
虚構の少女を演じた平野綾さんは、現実ではしっかりと成長していた。
では私はどうなのだろうか?虚構の少女を消費した私はその後どうやって生きていたのだろう。
あの頃の<僕>はロリータ℃という虚構の少女に救いを求めてしまい
そして今<私>は人気声優「平野綾」に救いを求めてしまっていた。
ぼくたちはぼくたちが<大人>になるための儀式を、自分たちで行わなくてはいけない
(大塚英志『少女民俗学-世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」』)
http://d.hatena.ne.jp/Imamu/20060111/p1
私はいつになったら<ライナスの毛布>を捨てることができるのだろうか。