吉田豪 x 磯部涼トークショー「アイドルと音楽 by Quick Japan」
とき:2008-10-16
ばしょ:タワーレコード新宿店7F
サイト:
・タワエコブログ
http://blog.tower-eco.jp/blog/2008/10/by-quick-japan-.html
・クイック・ジャパン編集部ブログ
http://www.ohtabooks.com/quickjapan/blog/2008/10/17114239.shtml
クイック・ジャパン編集部ブログに
『イベントの詳しいレポは次号(81号)のQuick Japanで!!』
と記されているので詳細は省き、個人の記憶に基づいて書きたいと思う。
最初に断っておくと「アイドルと音楽」というタイトルは急遽付けられたものらしく
実際話された内容は二人のインタビュー方法や「雑誌メディア」についての話がメインであった。
不良文化とコトバは親和性が高い
磯部涼氏の発言。
磯部涼氏はヤンキーがわざと「言葉の訛り」を強調するような例を挙げつつ
日本語ラップの独特の言葉づかいとの関連性を語る。
ヤンキーとコトバ、あるいは音楽との繋がりといえば
速水健朗『ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち』を外すわけにはいかないだろう。
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「浜崎あゆみ」の歌詞への思い入れについては以前の日記で仄めかしておいた。
(http://d.hatena.ne.jp/Imamu/20080516/p1)
私自身は日本語ラップやヒップホップ文化に疎いのだが、
今回のトークショーをきっかけに少しずつ触れてみたいと感じた。
不良文化だったころのアイドル
吉田豪氏はもともとアニメが好きなオタクだったらしいが不良文化に憧れて、
その中で不良文化だったころのアイドルにはまった、というような発言をした。
これは掟ポルシェ氏も語っているが(因みに今回のトークショーに掟ポルシェ氏も参加していた)
体育会系、ヤンキー文化としてのアイドルといった側面は80年代頃には明確に存在していたらしい。
(http://d.hatena.ne.jp/Imamu/20080429/p1)
吉「僕は私立校でしたけど、アイドルの曲は、ヤンキーの人が聴くものでしたからね」
(中略)
吉「親衛隊的なノリですよね。あと僕はアニオタでもあったんですけど、
途中でアニメはダメだと思って(笑)、中2くらいからヤンキー漫画を読んだり、
音楽もロカビリーを聴いたり・・・・・・。そんなヤンキーのたしなみで、アイドルも好きになったっていう」
(吉田豪,宇多丸「なぜ歌うアイドルは素晴らしいのか!?」
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初期のヴィジュアル系が好き
吉田豪氏の発言。不良文化・ヤンキーという文脈でこの話が出た。
従って、吉田豪氏が言うところの「初期のヴィジュアル系」とは
バンドブームの頃にいた不良・ヤンキーと直結していたヴィジュアル系という意味あいであろう。
著書である『バンドライフ――バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集』
での人選を見ればそれが具体的にわかる。
例えば、BAKI(GASTUNK)ダイナマイト・トミー(COLOR)などがそうだ。
完全なヤンキーとは違うかもしれないが
ケラ(有頂天)や大槻ケンヂ(筋肉少女帯)もインタビューしている。
BAND LIFE―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
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アイドル・ヴィジュアル系:ヤンキー・オタクのハザマ?????
アイドルもヴィジュアル系も雑多なものを詰め込んだ総称なので
全てがそうだとは言い切れないが
多分今のアイドル文化やヴィジュアル系アーティストは
以前に比べたら不良性・ヤンキー性は薄れているのかもしれない。
ヴィジュアル系を例にだすのであれば
コメカ著「J-POPの切断線――ゼロ年代ミュージック・マップ2008」
(第二次惑星開発委員会『PLANETS』vol.5所収)
という記事では、ヴィジュアル系を大きく三つにカテゴライズしている。
1「ホスト化するV系」
2「農村の記憶を残すビジュアル系」
3「自意識を持つV系」
興味深いのは
「ホスト化するV系」は「ゼロ年代のヤンキーの作法」「ヲタのBGM」といったカテゴリーの近くに存在していること。
そして「農村の記憶を残すビジュアル系」の近くには「浜崎あゆみ」がマッピングされているということだ。
これはヴィジュアル系がヤンキー文化と親和性があり、
尚且つ「ヲタのBGM」に接近したバンドもいて、現在のヴィジュアル系の「オタク性」が示唆されている。
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私は節操がないのでどんなバンドも好きです。
次号の『クイック・ジャパン』はトークショーの内容だけではなく
その後行なわれたDJタイムで流れた曲についても書かれていたら嬉しいです。