白アイドル桃色蜘蛛/黒アイドル夢/灰色アイドル銀貨――少女浮遊力/ヲタの優しき妄想力欠如

考えてみれば「少女」とは、秩序社会内に位置を持ち得ぬ境界的な存在である。
女人が社会的に承認される場合、それは、概して「子を産む胎」として知覚されるから、
「女性性」は、しばしば「母性」の同義語となる。


しかし、「少女」がそのさながらであり続けるとは、
「成熟」とその結果としての「産むこと」の拒否であり、
自身の肉体を「豊饒」のしるしから無縁に置くということに他ならない。


種の再生産という水路においてのみ、女人の回収を企てる秩序社会に対するこの裏切り・・・・・・。
彼女たちが、足場なき存在として浮遊するのも当然と言うべきだろうか。


本田和子『オフィーリアの系譜―あるいは、死と乙女の戯れ』1989,弘文堂)

1.白アイドルピンクスパイダー

小倉優子がピンク色の服を着ると嬉しい
中川翔子のオフィシャルファンクラブの名前は「ギザぴんく!」
Berryz工房の嗣永「桃」子さんが気になる。

POPO-PORN (ポッポポーン) YUKO OGURA FIRST ANNIVERSARY [DVD]

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中川翔子×蜷川実花写真集 『しょこれみかんぬ』

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嗣永桃子写真集「momo」

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                                                                                                                  • -

君は 嘘の糸張りめぐらし

彼女たちの腹部から吐き出された嘘の糸。
細く軽く、鋼鉄よりも丈夫な糸。
粘つく糸、柔らかい糸、弾力のある糸。
暖かい糸、冷たい糸、痛い糸。痛い糸。


綺麗で幾何学的な罠をつくる。
そこが彼女たちの住処でもある。


糸先に薫る香水。
暴れる獲物は糸で動きを封じればいい。

ケバケバしい 君の模様が寂しそうで

飾れば飾るほど、哀しい色に染まってゆく。
目がチカチカするその模様を凝視する。


ピンク色の蜘蛛は沢山の獲物の欠片を集めて飛ぶ。

「傷つけたのは 憎いからじゃない
僕には羽根が無く
あの空が 高すぎたから・・・」


ピンク色の蜘蛛は「飛びたかった」のか「無理やり飛ばされた」のか

借り物の翼では うまく飛べず
まっさかさま 墜落してゆく

その糸で風を捕まえて、どこまででも飛んで行けるはずだったのに

桃色のくもが 空を流れる

蜘蛛は雲になる。誰も触れやしない。

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ゴミに群がるカラスと
アイドルに群がるボクは驚く程似ている。



2.アイドルが黒いという夢

だから黒い夢に身を委ねる。

僕は偽りだらけの FAKE STAR
狂った虚像 ヘラヘラするな
僕はニセモノ SurrealなFAKE STAR!

欲しがる目に変わる
「虐待して」と
快楽はその痛み
淫乱の犬

最初から黒ければ、何も迷うことはないだろう。

ウソばかりのテレビが
今日も僕をためしてる


Jokerに援護されて 媚びて笑う世界を
黒く塗り変えて見たい

<白/黒>は<処女/娼婦>の焼き直しか?

"A Goofball - なぜ男は処女が好きなのか?"
http://d.hatena.ne.jp/Boaz/20070617#p1


で、ここまで書いといてアレですが、
私は黒アイドルとか白アイドルという分類も果たして有効なのか、と疑問に思う。
というのも、白と黒に分けるのって、処女か娼婦かの二分法の延長でしかないからだ。


そうではなく、可愛い女の子は、処女だろうがヤリマンだろうが、
その可愛さは不変である、という事実をファンが受け止めることだろうと思う。


前提として、アイドルという概念自体に
〈白=処女的な想像力を喚起させるもの〉が含まれているのだろう。
だから、カウンターとしての〈黒アイドル〉となる。
(参考:「コラム界のアイドル左翼」ライムスター宇多丸さん――TBS RADIO ストリーム コラム要約 - 死に忘れましたわ


だが、これが解りやすい二分法でしかないことは間違いなくて、、、、、、
本当は一人のアイドルが<白>と<黒>を自由に往来してもよいはずではないか?


従って、アイドルは<灰色>であり、
光の当たり方によってときには白く、ときには黒く見えるぐらいでいい。

"オオツカ´ - 小倉優子論的展開の必要"*1
http://d.hatena.ne.jp/gerling/20070614/1181782878


小倉優子の悲劇は単純に不思議ちゃんだとしか思ってもらえず、
それがフェイクかそうじゃないかという二項対立でしか判断できなかった消費者の未成熟にある。
彼女のアイロニカルな振る舞い、虚実入り混じったところをわれわれがそれとして見れたのなら、
もっと違った受け取り方があったはずである。


白と黒をごちゃ混ぜにしてしまおう。もうみんなごちゃ混ぜにしてしまおう。

世界から全ての色が 無くなる日を・・・

消え失せろ、世界



Reference.

ピンクスパイダー

ピンクスパイダー

EMI 1994~1998 BEST OR WORST

EMI 1994~1998 BEST OR WORST

memoire

memoire

*1:この方は、はてな内の悪い評判や揉め事の文脈でフューチャーされがちだが、私はそのあたりには一切興味がない。彼のテキストはブログタイトル通りに大塚英志ダッシュとして受け取る