桃井はるこ LIVE'08「Sunday early morning @ SHIBUYA AX」
後ろでまったりしていただけだけど楽しかったー。
詳しいセットリスト等は、ちゃんとサイリウム振ったりトンドルしていた皆さんの
ブログやmixi日記にお任せするとして
桃井はるこで最初に思い出すのが
「D's Garage21」というむか〜しの深夜番組で、あの番組結構好きだったなぁ〜、
というぐらい中途半端なモモーイ知識が浅い人の感想。
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ライブ行くにあたって、桃井はるこ『アキハバLOVE』を読み返した。
どうでもいいが、私はこの本がとても好きだ。
本の最初のエピソードとして「食物アレルギー」の話が出てくるのだが
「食」というのは本当に恐ろしい。
摂食障害になってから感じるが「食」が制限されると「この世界」から拒絶されている気がする。
だから、私は『アキハバLOVE』の最初の方のページですでに涙がボロボロなのだ。
閑話休題。
そのモモーイの本の中で、プレアイドル活動を休止したときの心境が書かれている部分が引っかかった。
「アイドル」と「アーティスト」は違うのです。
ライブハウスで歌い、いつかはトップアイドルになりたいと夢見ているプレアイドル達と、
自分が好きなものに対しての表現をしたいと思うわたしは、
事情がわからない人が見たら同じに見えるかもしれませんが、根本的にズレがあったんです。
なので、このまま活動を続けても、わたしのやりたいことであった
「アイドル論を自分で体現して表現する」という意図は伝わらず、
わたしが普通にアイドルとして扱われてしまうことになると思いました。
(桃井はるこ『アキハバLOVE――秋葉原と一緒に大人になった』2007,扶桑社,p215)
- 作者: 桃井はるこ
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「アイドル論を自分で体現して表現する」
とは、一体どういうことであろうか?そんなことを思いながらこのライブを見ていた。
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ライブ序盤を見て、
「アイドル論を自分で体現して表現する」というのは「往年のアイドルのパロディ」のことなのかと感じた。
激しいものからミディアム・テンポのナンバーまで曲調は様々だが
桃井はるこのライブパフォーマンスを遠くから見ていると
「懐かしのアイドル」の当時の映像をテレビモニターから見ているような錯覚に陥る。
だが、中盤以降に展開が変わる。
「アイドル論を自分で体現して表現する」っていうレベルじゃねぇぞ(古い)
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・「Chou Line」を聴くと、
学校終わってから(友達などいるはずもない私は)
中野ブロードウェイに一人で行って暇を潰していた頃を思い出す。
まだ「まんだらけ」が3Fに一店舗しか無かったあの頃。
精神世界の本屋で「殺人」「自殺」に関する本を大量に購入した日の思い出。
・「MISSLE CHUBAKKA」が登場して会場がクラブ仕様になったとき。
ド・クラブサウンドなのにサイリウムを使って手でノロウとする人がいて面白かった。
頭振ったり下半身揺らしたりしないんだぁ。
これを見たときに感じたのは、
Perfumeってサウンド的にサイリウム使ったりヲタ芸しなくて済むから
アイドルのライブ独特のノリについていけない人でも大丈夫なんだなぁと思った。
『アキハバLOVE』に、
まだ平仮名の頃(中田ヤスタカにバキバキにされる前の)「ぱふゅーむ」の記述がある。
モモーイは断言します。ぱふゅーむは、本物のアイドルです!!(2005.11)
・「ワンダーモモーイ」がいい。「Sunday early morning」も好き。
そして「さいごのろっく」は名曲だと思う。
ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」並に興奮する。
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今回の桃井はるこライブに行こうと思ったのは
アルバム「Sunday early morning」を聴いて、バラエティに富んでいるなぁと感じたからだ。
ど真ん中のアイドルポップスだけじゃ辛い。
全編テクノ・エレクトロニカだけじゃ辛い。
ライブに行くならギターソロを見たい。ドラムに合わせて足でリズムをとりたい。
そんな我侭な私のような人間にとってはこの悪く言えば雑多な感じもキライではない。
実際ライブも序盤のアップテンポなナンバーからシットリと落ち着いたもの、
中盤にピコピコ電子サウンドを挟み、後半にはロックポップスという構成であった。
「萌え」「アイドルポップス」「ロック」「エレクトロニカ」
方向性が定まっていないという捉え方もできるかもしれない。
しかし、繰り返すがこの雑多な感じがとても面白いし、
全ての曲に桃井はるこのポップセンスが流れている。
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存在しているだけで素晴らしい。
それが桃井はるこの「アイドル論」