毒蟲27

Imamu2008-07-08



とき:2008-07-07
ばしょ:新宿ロフトプラスワン

最上級のアングラ・エンターテイメント!
平日の夕暮れに突然展開される、エロティックかつ耽美でおバカな見世物空間。
一度迷い込んだら癖になる、中毒者急増中の大注目ショウケース。
さあ、御覧あれ。 


半死半生のまま観覧致します。睡眠薬を服用したため意識朦朧の中で観覧です。
様々な舞踏も見ごたえがあります。
特に
鮮血シーン、緊縛ショー、SMショー、サスペンション(人肉巨大フック吊り)、自縛パフォーマンスが
印象に残ります。
だけど、間にお笑いコントが挟まれているような雑多感もたまりません。



緊縛、SMのシチュエーションにおいて
火のついた蝋燭を口に銜えさせてから、鞭で打つ。
痛みで聲を出したいが口を開けると蝋燭が落ちてしまうので我慢する。
「うぅ」「うぅ」「うぅ」「うぅ」「うぅ」「うぅ」「うぅ」「うぅ」・・・・・・



布、繩、金属のフック、素材は違うが
「身体を縛る」「身体を吊る」という行為はほぼ共通の方向性としてあるようだ。



空間を貪食するかのように、中空を掴もうと身体を攀じる。
存在の痼りがほぐされていくかのように。その指の切っ先に何を見るのか。



昔はニュース報道の殺人事件が好きだった。だけど、今は以前ほど食指が動かなくなってきた。
マスメディアが流す殺人事件の物語に興味が湧き辛くなったのかもしれない。

私がこの本の編集中に知ったような「事実」は特別に興味のあるものではない。
本書に収められた殺人者の頭文字は、AからMが圧倒的に多い。
私はそれが、なぜであるか知らない。
これは事実でも、全く意味のないことである。
多くの殺人の事実についても同じことが言える。


(コリン・ウィルソン『殺人百科』1993,彌生書房,p11)


物語を欠如させた血、傷、死体に興味がシフトしているのだろうか。
そもそもそんなものは存在するのだろうか。



舞踏、緊縛、自縛、サスペンションなどが面白いのはそこに明確な物語がないからだ。
もちろん舞踏やSMショーはBGMやパフォーマンスの構成があるので、何もかも出鱈目ではない。
しかし、その構成はあくまでも象徴的なものに留まっている。
従って観客は、お話の内容ではなく純粋に「そこにある身体」を見ているのではなかろうか。
物語化されるぎりぎり手前にある身体を。



緊縛、自縛、サスペンションなどの「身体の痛み」は
一般的な「ケガ・病気」のときに同情する/されるような「痛み」とは違うのかもしれない。
単純に、縛られたり金属のフックを身体に突き刺す種類の「痛み」を
多くの人が経験していないので想像しにくいという事実もあるだろうが
もっと根本的に、容易く「同情」に回収されない「痛み」なのではないかと感じる。


マスメディアによる殺人事件報道の物語の違和感は、それが同情を引き起こすよう設計されている所にある。
被害者遺族を巡る報道はもちろん、
加害者においても生い立ちや生活環境を丹念に調べることで、殺人に至った背景に同情の念を喚起させられてしまう。
多分、そこで興ざめしてしまう。
もう被害者に冥福を祈りたくないし加害者の卒業アルバムもさほど見たくはないのだ。



だけど今日も殺人のニュースをご飯を食べながら見ています。


――――――――――――今日のBGM――――――――――――――――
bjork「Hyper-Ballad」(毒蟲27イベントで流れてきたので)

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僕はたぶん「マイナス」です。「プラス」からそう呼ばれてるんです。
それは、まぁ、何となく分かるんです。
『負い』
君が「プラス」に成りました。君は僕を何て呼ぶのだろう?
それは、まぁ、君に任せるとします。


正しいコトも悪いコトも、くるくると廻り続けてる。
「いっそのコト、誰もいなく成ってしまえば良いのにな・・・
・・・なんてね。」


(グルグル映畫館「皆殺しのエチュード」)

センテンス 意義は有るケド 硝子張り

センテンス 意義は有るケド 硝子張り

脳みそショートケーキ 召し上がれ
あなたのお口の周り
あたし脳足りん
クリームくりん
つるんと飲み込んだなら 可愛くKiss


イカレポンチな夜に


(つしまみれ「脳みそショートケーキ」)

ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ
ご飯 ご飯 ご飯 ご飯
ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ
ご飯 ご飯 ご飯 ご飯
ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ
ご飯 ご飯 ご飯 ご飯
ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ ブタ
ご飯 ご飯 ご飯


湾曲 情報
瞳孔 誤作動
錯乱する 人間
ねじ伏せられる 人間


闇を喰らえ 謎を喰らえ
今日を生きる そのために
謎のままが 良いことを知る
明日につなぐ ブタの汁


残飯 残飯
雰囲気 残飯


(中略)

虚像を 愛せよ
謎のまま 愛せよ
うつわだけ 欲しいなら
真実は 要らないから


夕(陽)は新大久保を ブタ色に染めて
やがて皿に盛られるのは 漆黒の飯


残飯 残飯
喰らわば 残飯


霧!夢!霧!無!魔!無!真!無!


(大槻ケンヂ木村カエレ「豚のご飯」)

絶望大殺界

絶望大殺界