テレビ東京系:新春ドラマスペシャル『ぼくだけの☆アイドル』感想

Imamu2007-01-02

2007/01/01の23:00〜24:24。新堂冬樹『ぼくだけの☆アイドル』のドラマ化作品を見た

まず一言感想集

・原作のお話のオチから考えると星野亜希ほしのあき)さんの人選は完璧だと思う。
・CM部分が全部、本編の物語と連動した「お話」仕立てになっていた。
→だから「CMは早送りで飛ばす」ということをしにくい。広告手法として素晴らしい。
萩原流行さんはいい味だしてるなぁ
・妄想を映像化するのって、こっ恥ずかしいわぁ

永井大さんが主人公のアイドルオタク役であることについて

きっと「こんなカッコイイ奴がオタク役って。そんなんあるかボケ!バカにしてんのか!」
というツッコミがあるのかもしれないが。私はそこは全く気にならない。


寧ろ、永井大さんのようなカッコイイ人が、演技として
キモイ言動・態度をして、ダサイ格好をしていることが重要なんだと思う。
私は単純にアイドルオタクの問題を「顔の美醜」に還元するだけじゃダメだと思うのだ。
(だからといって、コミュニケーション能力や服装の問題に全てを還元するのもダメだと思うが)


少なくとも、私がアイドルイベント等を通じて知り合った人たちは
「顔は普通」の人の方が圧倒的に多かった。
(確かにコミュニケーション作法に関しては独特な人もいらっしゃる。
 だが、それはどこの世界でも同じだろう)

ドラマを見て(印象に残ったところ):オチは書きません

・追っかけ対象アイドルのマイブーム(食べ物)と同じものを購入し仲間同士で楽しむシーン


・ファンクラブの会員番号についてのファン同士のやりとりのシーン
「一桁会員と二桁会員」は情報収集力が違う。


⇒アイドルに対する「情報収集」が大きなポイントになっているという認識
⇒情報元(雑誌かネットか?)などを異常に気にする


・何故か「真実の愛」について語りたがるアイドルオタク(永井大が演じた主人公)
⇒抽象的な理想論に陥ってる。


・追っかけ対象アイドルのテレビ出演場面を見ているとき:「もっと、みーちゅんによれ(アップにしろ)」


・あきお君(主人公)が合コンの席で誰にも相手にされず、ウソ電話で帰るシーン
⇒その際に「合コンに来るような女は最低」というレッテルを貼り、口汚く罵る。


・クリスマスは用事がある
→みーちゅん(星野亜希)の新曲発表会&クリスマスパーティー
→ピンクのハッピと、ピンクのボンボン、ピンクのハチマキ
→曲に合わせて「フゥーッ!」と言いながら片手を突き上げてジャンプ
しかし、イベントの帰り道はハッピとハチマキは取るんじゃないか??
因みに永井大たちアイドルオタクは渋谷の公園通りを歩いていた。
的確な場所でロケしたな。おい。私はここを何度通ったことだろうか?


・公園でみーちゅんと
「6年前のデビューイベントのときにBの18番に座ってた、あきおだよ」←知らねぇよ


・「いい加減に目覚ましなよ」「剥がせばいいだけじゃん(部屋にある大量のポスターなど)」
→「簡単に言うなよ」「みーちゅんだけだったんだ」
「東京に出てきて、友達も知り合いもいない僕に笑ってくれたのは」
「本当は解ってる。僕は皆に相手にされてないって」
「東京に出てくれば何か変わるんじゃないかなって思ったけど、やっぱり同じで」
「そんな風に思うだけで良かった。それが現実じゃなくても」
「解ってるよ。解ってる。本当の僕を見てくれる人なんてどこにもいないってことぐらい。自分が一番よく解ってるよ」


→ポスター等を全部剥がして、癇癪を起こす


・大晦日の朝、昆虫ショップの前でのシーン(星野亜希のセリフ)
「もう疲れた。アイドルアイドルって。勝手に決め付けられて。泣いちゃいけないの?恋しちゃいけないの?」
→原作小説ではアイドルオタク側の心情描写が中心だった。
ドラマ版では(少しだけだが)アイドル側の描写もあり、面白く見れた。(ベタといえばベタだが)

このドラマのメッセージ「現実を生きるんだ!」について

このドラマにおいても、大半の世間的イメージと同様に
「アイドルオタクは現実から逃げているので、きちんと現実と向き合うべきだ」
というメッセージが込められていた。


別にそれ自体をとやかく言うつもりはない。
ただし、その<現実>とやらが、何故<恋愛宗教に参加>という手続きまでも含むのか?


これが、私自身の最大の問題点である。そして、私の矛盾点でもある。
<恋愛宗教に不参加>(参加しないand参加できない)なのに
何故<アイドル幻想という別の宗教>に参加しているのか?

今のところは、<恋愛宗教>よりも<アイドル幻想宗教>の方がなんか面白いんだもん
としか言えないのが、悲しいかな。それを「逃げている」と言われたら、それまでだ。
ただ、本当に<私と誰かが恋愛という状態にある>ということが想像できないし興味が湧かない