妖精帝國第弐回公式式典「Live G.L.P.」〜and,ゴスロリメモ〜

Imamu2007-07-16

(2007/7/15/原宿アストロホール) 

GOTHIC LOLITA PROPAGANDA

GOTHIC LOLITA PROPAGANDA

「ゴス系アニソン二大巨頭の一」*1妖精帝國
セットリストは某何chの掲示板から借用したので間違ってるのか正解なのか解らない

1Ira
2赤い扉
MC
3stigma
4Pray in the darkness
5Noble Roar
MC
6あしたを許して
7Canary
8Fortuna
9月下狂想
SE(橘さんソロ)
10Patriot Anthem
11Gothic Lolita Propaganda
MC
12Valkyrja
13鮮血の誓い
アンコール
14至純の残酷
15孤高の創世
16Last moment


予定開始時刻を30分以上オーバーしてのスタートで
少々ゲンナリしてしまったが
そんなことよりも、もっとゲンナリしてしまったことがあった。


妖精帝國の客層はもうちょっとヴィジュアル系寄りだと思っていたが
85%以上、アイドル声優オタクの人たちなんですね。


それは別にいいのだけど、
妖精帝國ヲタ芸・ヲタコールをやるんですね。
打ち込み系の音だから、ヲタ芸しやすいのは解るんだが。
5秒ほどヲタ芸に殺意を覚えました。
15秒経ち、諦めました。
何故なら、妖精帝國を支えている主なファン層は彼らなのでしょうから。


妖精帝國サイドはきっちり世界観を作ろうとしているのに
個人的にはその世界観とヲタ芸は相性が悪いと感じる。


モッシュヘッドバンギングは良いのですが
ヲタ芸に関しては、美意識を疑う。
アイドルイベントでは余り気にならない、一部のアイドルオタクの「悪乗り」も
今日はイラっと来る。人それぞれの楽しみ方があるので、どうしようもないですけど。


逆にヲタ芸をやるような人にとっては
こっちのことを「何で棒立ちなんだよ!もっと盛り上がれよ!」みたいに思ってるのだろうから。
意味なく「フーーーーゥ」とか言ったりするたびに、
お前等はレイザーラモンか!(HGじゃなくてRGの方)と、懐かしいツッコミをしたくなった。


だから、Voのゆい様がMCで悉く「ヲタっぽいノリ」を批判していたのが面白かった。
妖精帝國の国王?or皇帝陛下?はアイドル声優っぽいコールがお気に召さないらしい。


まぁわざと逸脱行為をして(急に奇声を挙げたり)
アイドル様にツッコんでもらってコミュニケーションとろうするのは
常套手段だけど、「我が我が」っていう度を超えた自意識の発露が暑苦しい。


妖精帝國サイドはゴスロリ的な客層を望んでるのだろうか?
だが、実際に来るのはアイドル声優オタクばかり。


正直、ヲタ芸妖精帝國の魅力が100分の1程度に減少した。



妖精帝國>の國の字とウヨク的なもの

シュプレヒコールをやらされた。多分「Das Fee Reich!」(ドイツ語で妖精帝國
ナチス的な演説をする。→だからドイツ語なのね。


"殺伐少女関係 - Gothic Lolita Propaganda"
http://d.hatena.ne.jp/alraune/20070507/1178545507
こちらに<妖精帝國>の國の字はウヨク的なものだという鋭い指摘があるが
思想的なものとは全く関係なく
ライブにおける扇動の方法論として、こういう表象って使いやすいんだろうなぁと。


で、ヲタ芸をやるタイプの人たちは
きっちりこういうのに乗っかって盛り上がるから
ある意味、偉いと思う。



その他感想

ハウリングが気になった
・橘尭葉さんはギターよりキーボードの方が得意なんだろうなぁ
・「鮮血の誓い」は妖精帝國にしては割とギターの主張が聴けて好み。
・式典終了後にゴシックメタルバンドWithin Temptationの曲が流れる。Good job



妖精帝國,function code();,

妖精帝國とは全く関係ないが
声優の伊月ゆいさんがゴシックメタルバンドのWithin Temptationが好き
というようなことをどっかで言っていた(もしくは書いていた)気がする。


声優でヴィジュアル系っぽい活動といえば
森永理科さんのfunction code();ですが(妖精帝國のボーカルと仲が良さげな)
彼女は月蝕歌劇団の人なので
ライブも寺山修司澁澤龍彦的なアングラ趣味が散りばめられていた。


こちらはバンド編成なので、基本はロック色の強い曲が多い。
森永理科さんはどうやら
マイ・ケミカル・ロマンスMy Chemical Romance)あたりの音楽も好んでいるらしく
私が行ったライブでもレッド・ツェッペリンのカバーをしていたし
バンドメンバーは普通にパンク・メタルを知ってる人たちだと思う。


参考:function code();「carilon...calls at the midwinter」めも - 死に忘れましたわ


function code();の方が客層が硬派だった気がする。
それだけに妖精帝國のライブ、、、じゃなくて式典にはもう行けないなぁ。
ランティスが絡んでるということから、
アイドル声優的なノリになる」と推察出来なかったのが間違いだった。


妖精帝國の世界観は好きだけど、ライブの主な客層の感性は何か違うみたいだ。
振り付けをちょっと真似するぐらいなら、まぁカワイイもんだと思うし
やりたい気持ちも解らなくはないが
「完全なヲタ芸」は自分には許容出来なかった。
汗だくになっていた人には本当に申し訳ないと思いますが。


振り付けのマネならまだ「会場が盛り上がるため」という説明も納得いくが
余り詳しくないので、ヲタ芸は私には「自己満足」にしか見えなかった。


一応、最後に書くと、妖精帝國えがった。普通に縦ノリはしてましたよ。
ヲタ芸さえ無ければ、また見たい。
(終)





附.「ゴシック・ロリータ・プロパガンダゴスロリ系譜・歴(適当作成)

ゴスロリ&パンクスタイル ROCOCO Vol.1 (タツミムック)

ゴスロリ&パンクスタイル ROCOCO Vol.1 (タツミムック)

History of “GOSULOLI”」
ゴスロリ&パンクスタイル ROCOCO Vol.1』p90-93より

  • ***1980年代
ナゴムギャル、トランスギャルこれがロリータ、ゴシックの原型となった


『有頂天』を筆頭に『たま』『人生』(後の『電気ブルーヴ』)、などを排出した
ナゴムレコードのファンはナゴムギャル、
YBO2』などが代表とされるトランスレコードのファンは、トランスギャルと呼ばれた。


ナゴムギャルは、子どもっぽくて派手なファッションをしていた。
髪をふたつにお団子にしてリボンで飾り,派手なTシャツにミニスカート、
ボーダーのニーソックスにラバーソールが基本形。
(中略)
一方トランスギャルは全身黒い服に身を包み、死に顔のようなメイクをし、
必ず髑髏のアクセを付けていた。
(中略)
彼女たちは、ロックでもポップでもない不思議な音楽と、
アイドルでも俳優でもないバンドマンを愛し、ライブハウスに通った。


その後「イカ天」「ホコ天」に代表されるバンドブームがある。
そして、この時代の前後にBUCK-TICKやXがいる。

  • ***1990年代前半
渋谷系フリッパーズ・ギター,ピチカートファイブetc...)

彼らのファンの多くは「オリーブ少女」で、おしゃれな女の子が中心。
ファッション誌『olive』は、ナチュラル系ロリータのブームを巻き起こした。

みんなオリーブ少女は言い過ぎじゃないかとも思うが。

・「ゴスロリ出現以前のビジュアル系バンドの正装」"黒服"

(自分の中では、初期LUNA SEAが解りやすい"黒服"
他に挙げるなら初期L’Arc〜en〜Ciel,初期黒夢とか)

・ロリータパンク(初期JUDY AND MARYYUKIのファッション)

テディベアを片手に安全ピンやチェーンのアクセをするのが
当時のロリータの特徴だった。

  • ***1996年〜
・深夜番組「BREAK OUT」により、ビジュアル系ブーム再来。

多分、ヴィジュアル系に興味のない人が
明確に意識して「ヴィジュアル系」というものに触れることが多かった時期かも。
ルナシーラルクなども、一般に知られるぐらいに売れ出した。

MALICE MIZER』の世界観に影響を受けたファンによって、
ゴスロリの原型が誕生することになる。

  • ***2000年代
ゴスロリ

それまでにはなかった中世ヨーロッパスタイルや、
メイド服、ヘッドドレスなどが登場。
ビジュアル系の耽美的な世界観と、ゴスロリの魅力は共通していた。

嶽本野ばら

そしてそのころ小説家デビューした嶽本野ばら
"乙女のカリスマ"と呼ばれ、ゴスロリをカルチャーとして認知させた。

→・2004年:嶽本野ばら原作、映画『下妻物語』(深田恭子×BABY, THE STARS SHINE BRIGHT




2000年代に「ゴスロリ」というカルチャーがある意味「独り歩き」しだす。
だから、アニメ・マンガ等へゴスロリの意匠が流入したり
ヴィジュアル系の音楽には全く興味ないゴスロリさんも、ごく当たり前の存在として登場する。



時代の移り変わりを示す例としてのペニシリン

"こころ世代のテンノーゲーム - 愛に気づいてもらえそうなペニシリン"
http://d.hatena.ne.jp/umeten/20070610/p2


ペニシリン
「時代のせいか音楽が評価されず、当初ほどの人気が全くない」
と嘆いている頃
「欧米でヴィジュアル系がブームだよ」という記事が出てるが
そこにペニシリンの名前が見当たらず、という素晴らしいネタでございます。


(ネタにマジレス的なものになってしまうが)
ペニシリンはメジャーデビュー自体は1996年で
それ以降に売れたので
一般的には1990年代後半の「ヴィジュアル系ブームのバンド」
と思われがちだが
キャリアとしては実は1990年代前半から活動している。


一方、今欧米で人気があるとされているヴィジュアル系バンドの多くは
1990年代後半のヴィジュアル系ブーム時に活動を始めたバンドや
2000年代のバンドである。


例えば、2007年5月25日~26日にロサンゼルスで行なわれた『Jrock Revolution 2007』の出演バンド
Kagrra,/ Duel Jewel/ 雅-miyavi-/ ヴィドール/ アリス九號
・メリー/ ギルガメシュ/ D'espairsRay/ ムック
は全て1990年代後半以降のバンドである。よってペニシリンとは時代的に違う。
おそらく、日本のオーディエンスでも、上記のバンドが好きな人たちの中で
ペニシリンも好んで聴いている」という人は意外と少ないような気がする。
特に若い世代の人なら尚更だ。



附.お化粧×洋楽の個人的メモ

  • 主に1970年代

・両性具有的,グラムロック - デヴィッド・ボウイ,T.REX
・悪魔的,ハードロック - アリス・クーパー
・艶やか,パンク - ニューヨーク・ドールズ
・奇抜,ハードロック/ヘヴィメタル - KISS

  • 主に1980年代

・華やか,目立つために,メタル - モトリー・クルー、ポイズン、Twisted Sister、pretty boy floyd
・ダーク,残虐,メタル - W.A.S.P.、King Diamond→MERCYFUL FATE

  • 主に1990年代

グランジロックの台頭=ヘヴィメタルの方法論の否定
・メタルのジャンル細分化(1980年代から存在していたものが顕在化)
ブラックメタル,デスメタル,メロディックデスメタル,シンフォニックメタル,ゴシックメタル


クレイドル・オブ・フィルス、ディム・ボガー、My Dying Bride、Paradise Lost・・・・・・・・

*1:id:alraune様の表現をパクル