『Modern Freaks (モダン・フリークス) Vol.1』付属DVD鑑賞中
Modern freaks v.1 (ミリオンムック 94)
- 出版社/メーカー: ワイレア出版
- 発売日: 2007/11
- メディア: ムック
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停滞する日本文化に贈る、公序良俗突き刺す、
愛と知性と怪奇の超人間力雑誌ついに誕生!
創刊号となる今回、世界から注目を集める日本身体改造シーンを全53ページ大特集!
身体改造界トップアーティストから、改造マニア、性転換まで完全網羅!
その他、現代を突っ走る最前線アーティストたちを独占取材!
コラムまで凝りに凝った、どこを切っても情熱溢れる充実のラインナップ!
さらにさらに、驚異の身体改造施術を含む、本誌連動コンテンツに加え、
特典映像満載の愕然驚嘆DVD110分付き! 出血大サービスでお届けします!
Sigur RosとNine Inch Nailsを聴きながら鑑賞中。
#01 身体改造アーティスト来日!! Ryan & Wayde Cutting Japan Tour 2007
■カッティング[Cutting]
医療用メスなど切れ味の鋭い刃物で体に傷痕のラインを描くスカリフィケーション
(「身体改造簡約事典」『Modern Freaks (モダン・フリークス) Vol.1』)
血の色の鮮やかなること眩暈のように。
皮膚の表面を剥した後に出現するピンク色
#02 ジャパニーズ身体改造パフォーマー "なみき"サスペンション・インタビュー
■ボディ・サスペンション[Body Suspension]
皮膚にフック等を貫通させて身体を吊り下げる行為。
(「身体改造簡約事典」『Modern Freaks (モダン・フリークス) Vol.1』)
私はサスペンションは一度しか見たことがない素人で、そんな素人の感想だが
サスペンションショーで思わず拍手をしてしまう場面は二回あると思う。
一回目はパフォーマーの身体に全てのフックが刺し終った時、
二回目はパフォーマーが吊り上げられ、全ての体重がフックにかかる瞬間。
背中にフックを貫通させるタイプのサスペンションを行なうとき
貫通部分から血が一筋すぅーっと流れ落ち、それがまるで翼のようでとても綺麗だ。
#03 改造アーティスト=ルーカス・スピラ DVD『LIKE A BUTTERFLY』予告
特にスプリット・タンの手術映像が印象的。
■スプリット・タン[Split Tan]
舌の切り裂き。
(中略)
最も一般的な方法としては先に開けた舌のピアス穴を拡張していく「タイ・オフ」がある他、
メスなどでそのまま切り裂く方法もある。
(「身体改造簡約事典」『Modern Freaks (モダン・フリークス) Vol.1』)
――――
ところがスプリットタンでは事態が一変する。
復活した雑誌「夜想」に掲載された写真を見ると、
それは蜥蜴や蛇ののように舌先が裂けている。
チロチロとそこから蒼白の炎が吹き出すような予感が走る。
見ただけで自分が愚弄されたような悪寒が生ずる。
そう、そこには民俗上の「延源」など何もない。
刺青が「悪の力」の付与だとしたら、
スプリットタンは「人間の力」の自然消失しかもたらさないのではないか
――それは徹底的に「反自然」的な自己冒涜なのではないか。
これは、スプリットタンや身体改造を外から眺めているものの考えなのかもしれない。
もちろん、私も舌を切り裂く手術の映像を見て最初は吐き気が湧いてきた。
しかし、手術をする/される本人たちはいたって淡々としている。
そのあまりの淡白さに何故自分がこれを気持ち悪いと感じたのか解らなくなるほどだった。
金原ひとみは、女性性特有の亀裂/裂け目を「拡張」するもの
(ベルクソンが広めた用語でいえば「エラン・ヴィタル=生の拡張」)として
スプリットタンが捉えられることを最初、望んでいる。
一方、ヒロイン「私=ルイ」が「シバさん」に施術を乞う背面全体の麒麟の刺青は、
存在を「固定」「縮減」するもの(「フラン・ヴィタル=生の縮減」)――と理解されている。
(中略)
ところがスプリットタンは前言したとおり、
「拡張」が本来もつべき肯定性を結果するのではなく、
人間的な力の消失を導くはずだ。
だからピアスによって割れはじめた彼女の舌先からも刻々と精気が失われてゆく。
舌自体は発話と食物摂取双方に関わる身体器官だが、そこに機能不全が生じる。
・参考:ルーカス・スピラの写真展に行ったときの感想:http://d.hatena.ne.jp/Imamu/20070901/p1
#04 サス日本代表"蠍" DVD『BODY ART PROJECT 1』予告
サスペンションの色々なスタイルの紹介
#05 死体写真家"釣崎清隆"渾身の映像集。 DVD『JUNK FILMS』予告
短い。もう終わりか・・・。死体もあまり映ってない。
しょうがないので、以前、釣崎清隆さんの写真展に行ったときに買った
死体写真のポストカードを見る。
#06 TOKIO underground party
こういうショーは実際にその場にいて、会場全体の雰囲気とともに楽しむべきものなのだろう。
その中で電撃ネットワークは流石である。
やってることはアングラなのに
非常にテレビ的というか、会場にいなくても面白さが伝わるように配慮されている。
それが良いことなのか悪いことなのかはさておき。
#07 大阪発! UDON PSYCHEDELIC EXPERIENCE オシリペンペンズ Live at U.F.O club
- アーティスト: 頭脳警察
- 出版社/メーカー: ディウレコード
- 発売日: 2001/06/30
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- アーティスト: ザ・スターリン
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2003/10/22
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トイレに行くために階段をテンポよく降りる。
一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、
一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、
一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、
一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、一、二、三、死、
内的インポテンツ革命。毒々しい純粋さよ!
傷口にレモンを塗り込む。架空の世界にある公園で誰かをずっと待っている。
テレビには殺人事件のニュース。
殺人事件は最高の娯楽であるが、殺人事件のニュースは最も詰まらない。
DVDの再生ボタンを押す。
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#08 美少女が虫を喰うぞッ! DVD『超食虫少女』予告
何故かゴスロリ服を着た女の子が
ウジムシを炒めて食べる。コオロギを食べる。ゴキブリを食べる。
ウンコゴキブリミミズハンバーグを食べるシーンは予告ではカット。
世界の中の多くのものが悪臭を発する――、このことの中に智慧はある。
嘔吐自身が翼をつくり、泉と湧く力をなす!
私は摂食障害になってから「吐き気」「嘔吐」についてなにかと考えるようになった。
「嘔吐」とは「拒絶」なのか?
食べることは生きることであるとしたら、食べても吐いてしまうのは生きることの拒絶なのか?
いや、食べることは生きることではなく、食べることとは「死ぬ」ことなのだ。
最近はそう考えるようになった。
肉も脂も麺類もお酒も大嫌い。焼肉とラーメンが大嫌い。気持ち悪い。
スイーツ(笑)の方が百倍マシ。スイーツは麻薬。
それにしても何故ゴスロリ服を着てゴキブリ食ってるんだろ?あっ!あれでしょッ!
「ゴスロリ=不思議ちゃん」だと思ってんだろ!そのうち訴えられんで自分ら。
これ(引用者注:ゴスロリ)はGOTHとロリータ・ファッションの
「ありえない」融合と呼ぶべきもの。
フリルひらひら、ヨーロッパ近世のデザイン伝承性にみちた、
ロリ衣装の外部への拡張性に対して、
GOTHの収縮性、あるいは悪の文脈での内部露出運動、黒さ。
とうぜんロリとGOTHは「ミスマッチ」で、
そうした合わないものを合わせる一種の「亀裂」が、それに接した者の居心地の悪さを導く。
あぁ、ゴスロリは拡張と縮減の合成で
スプリット・タンは拡張と消失の合成で
だから、同じDVDに入ってても不思議じゃないんだぁ(^○^)
なーんだ。納得
なんてできるかよ。
とりあえず、春妃いぶきさんのブログを読んでます。
#09 脳性マヒの俳優を追う 住田政清氏の今&映画『おそいひと』予告
この流れでこれを出してきてよいのだろうか?
自らの意思で身体を改造し、またパフォーマンスを行なう者たちと
脳性マヒという「障害」を同じDVDに収録することで両者が同じ視線で見られやすくなる。
つまり「見世物」として扱ってしまう。
多分、これは差別である。
そして、今までずっと見てきた身体改造者たちに対しても
私は「見世物」として見ていたという事実に改めて気が付く。
自分は安全な位置に身を置き、そこから彼ら/彼女らを見ていたのだ。
だが、私は彼らを完全に「見世物」として見ないということはできそうにない。
だから、私も降りる必要がある。彼らと同様に私も「見世物」だ。
誰もが、誰かを「見世物」として見ていると同時に、「見世物」として見られている。
みんな死ねばいいのに。